この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
地元大手の学習塾に長年講師として勤務していた相談者。上司のパワハラに悩まされ、ハローワークに通って同業他社に転職しました。ところが、退職金の支給期限が来ても退職金は支払われないままで、最終的に、同業他社に就職した場合には退職金は支給しないという就業規則を盾に支払を拒否してきました。
解決への流れ
パワハラの慰謝料と退職金の支払を求める労働審判を申し立て、退職金の全額の支給を命じる審判がなされましたが、塾側は異議を申し立て通常訴訟に。最終的に、退職金の9割の支払をする形での裁判上の和解が成立しました。
ヘッドハンティングなどを防止するため、同業他社に就職した場合のペナルティを科す条項は結構見られますが、職業選択の自由という憲法上の権利の重大な制約であることから、全ての事例について適用されるわけではなく、裁判では無効になるケースも多いです。このケースも、会社側に問題があって転職を余儀なくされたケースであり、退職金の支給が認められたのは正当な結論といえます。