この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
夫に離婚を求めたものの、夫はなかなか離婚に応じてくれないという女性からの相談でした。不貞やDVといった明確な離婚事由がなかったためか、夫も納得がいかなかったようです。ついには、夫から「財産分与を求めるならば離婚には応じない」と言われ、どうすべきかと悩んで相談に来られたとのことでした。
解決への流れ
お子さんたちは既に成人しており、財産分与と年金分割だけが問題となる事案でした。確かに明確な離婚事由はなかったのですが、昔から育児方針等で我慢を積み重ねてきたようで、結婚生活に疲れ果てた御様子でした。調停を申し立て、夫に離婚を受け入れてもらえるよう主張書面の表現を工夫しました。財産分与に関しては、まずこちらからきちんと資料を提出することで、相手方も資料を提出するよう裁判所に説得してもらいました。相手方から出された資料は細かく分析し、提出漏れと思われる部分があれば妥協なく再提出を求めました。また、不動産の分与方法に関しては、相手方の都合も考慮しなければならない部分があったので、譲るべきところは譲りました。こうした中で、相手方の心境にも徐々に変化が生じ、4回目の期日で離婚が成立し、財産もしっかり2分の1を分けていただくことができました。
調停はある程度時間がかかる手続ですが、一方が離婚を拒んでいたり、親権で争いがあったりするケースでは有意義だと感じています。すべての事件に当てはまるものではありませんが、時間をかけてポイントをついた話し合いをすることで、相手方の気持ちにも変化が現れてきます。