この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
ほぼ別居状態の妻が産んだ子どもが自分の子どもではないと子どもが産まれてからしばらく経ったあとに気がついた男性からのご相談です。別の弁護士に依頼して離婚、嫡出否認の訴え等を起こしたものの、弁護士の病により急きょご自身で裁判を続行することになりました。相手方も代理人をつけておらず、不十分な証人尋問のみで第一審は口頭弁論が終結しました。終結後にご相談者様からご依頼をいただき、事件を引き継ぎました。
解決への流れ
ご相談者様は、第一審では慰謝料等の請求をしていましたが、それよりも嫡出否認を最重要事項と考えていらっしゃいました。もっとも、子どものDNAのサンプルを取ることはできず、妻がDNA鑑定を拒否したことから、DNA鑑定に頼らない立証方法を検討しました。ご相談者様のご意向を尊重し、嫡出否認が認められるよう尽力し、控訴審で第一審判決が覆され、嫡出否認の訴えが認められました。
ご相談者様は、第一審の途中でそれまで依頼していた弁護士が体調を崩し、ご自身で裁判に対応されていました。結果、第一審は残念ながら敗訴してしまいました。このまま戸籍上自身の子どもとして残ってしまうと、養育費を成人するまで支払わなければなりません。ご相談者様は、自分の子どもではないと確信されており、ご相談者様に見せていただいた資料等からも納得できましたので、第一審判決を覆すための手助けをさせていただきました。嫡出否認の訴えですので、DNA鑑定ができれば事実は自ずと明らかになるのですが、これは相手方(妻)が拒否していました。そこで、あらゆる証拠を集めて、ご相談者様が生物学上子どもの父親ではないことを立証しました。控訴審で行われた証人尋問では、同居男性との関係について不自然な説明を引き出すことができ、結果として、逆転勝訴判決となりました。ご相談者様にはとても感謝していただきました。難しいと思ってもできるだけたくさんの事実を積み上げて勝訴に導いた事案であり、思い出の多い事件です。