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会社負担の在宅勤務グッズ 宣言解除で「出勤するなら不要」…勝手に処分していい?
2020年05月27日 10時08分

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、在宅勤務を経験する人が増えました。緊急事態宣言が解除されても、しばらくは自宅での仕事が続く人もいるのではないでしょうか。

そんな中、在宅勤務の環境を整えるため、会社負担で備品を購入できる制度を設けている企業もあるようです。証券会社で働くユウさん(20代)もその一人です。

「会社のデスクでは4台のモニターを使ってましたが、自宅には2台しかありません。そこで、会社負担でモニターを1台購入しました。仕事がはかどりますし、自分の財布が痛まないのも助かりますね」

「会社の制度はありがたい」とユウさんは言います。もっとも、在宅勤務が解除されたら、購入したモニターはフリマアプリで売ってしまおうと考えているようです。

「自宅で仕事しないなら、3台目のモニターは使いませんし、場所もとるので不要です。もしフリマアプリで売れなかったら、誰か欲しい人にタダであげます」

不要だから処分したいというユウさん。しかし、会社負担で購入した備品を勝手に処分していいのでしょうか。宍戸博幸弁護士に聞きました。

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、在宅勤務を経験する人が増えました。緊急事態宣言が解除されても、しばらくは自宅での仕事が続く人もいるのではないでしょうか。

そんな中、在宅勤務の環境を整えるため、会社負担で備品を購入できる制度を設けている企業もあるようです。証券会社で働くユウさん(20代)もその一人です。

「会社のデスクでは4台のモニターを使ってましたが、自宅には2台しかありません。そこで、会社負担でモニターを1台購入しました。仕事がはかどりますし、自分の財布が痛まないのも助かりますね」

「会社の制度はありがたい」とユウさんは言います。もっとも、在宅勤務が解除されたら、購入したモニターはフリマアプリで売ってしまおうと考えているようです。

「自宅で仕事しないなら、3台目のモニターは使いませんし、場所もとるので不要です。もしフリマアプリで売れなかったら、誰か欲しい人にタダであげます」

不要だから処分したいというユウさん。しかし、会社負担で購入した備品を勝手に処分していいのでしょうか。宍戸博幸弁護士に聞きました。

●会社負担で購入した備品は会社からの貸与品

ーー会社負担で購入した備品は誰のものなのでしょうか

「名目は様々だと思いますが、仕事に使う備品を会社負担で購入することはよくある話だと思います。

仕事に使う備品を誰が負担すべきかについて、法律上、具体的には定められていません。ただ、会社で働き始める際に会社から渡される書類や就業規則のなかに定められていることが一般的です。

通常、会社が費用を全額負担して購入する備品は、会社の名義で購入しているものですので、会社が所有するものと考えられます。

ユウさんのように、在宅勤務のためにモニターを自宅で使う場合も、オフィスのデスク上にモニターを追加してもらった状況と同じと考えた方がよいです。

つまり、会社負担で購入した備品をオフィスで使おうが自宅で使おうが、あくまで会社からの貸与品ということに変わりありません」

ーーいったん個人で購入し、後日、事前に許可を出した会社が個人負担分を支払うという場合でも、会社所有になりますか

「そういった場合にどちらに所有権が属するか、明確に定めている会社はほとんどないと思いますが、通常、会社が費用だけ負担して所有権を従業員に与えることはしないと思います。

もし、福利厚生の一環として好きに使ってよい(会社が所有権を放棄する)という話があれば別ですが、そうでない限り、最終的に会社負担にしているので、会社所有になると考えられます」

●不要な備品を処分する際には、まず会社に報告・相談すべき

ーー会社のものを処分したらどうなるでしょうか

「会社負担で購入した備品をフリマアプリで転売したり、無償で他人に譲渡することは、会社の所有物を勝手に処分してしまうことになります。

これは、横領や不法行為に該当し得ますし、仮にそこまで大問題にならないとしても、会社からの処分の対象となる危険があります。

先ほど話題にあげた就業規則には、こういった問題を想定し、以下のような規定が入っていることがあります。

『会社の許可なく、会社の施設・物品を使用しないこと』
『会社が貸与した電子端末を含む備品を私的に利用してはならない』

こうした規定があるにもかかわらず、会社負担で購入した備品を転売したり譲渡すれば、就業規則に違反したことになり、会社から何らかの懲戒処分を受ける可能性があります」

ーー自宅にある備品が不要になった場合はどうすればいいでしょうか

「もし用意した備品が不要になったら、会社に報告・相談することをおすすめします。在宅勤務だからこそ、『ほう・れん・そう』を徹底することがトラブル回避のポイントです。

新型コロナウイルスの影響で勤務環境が大きく変わりつつある今こそ、ビジネスパーソンの方にとっては、自分の会社がどのような就業規則を定めているのか再確認するよい機会です。

他方で、経営者の方にとっては、自社の就業規則が現在の経営実態に即しているのか、環境の変化に対応できているのかを見直すよい機会といえます」

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