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「法律クソくらえ!」債権者破産のヤマカンが激白、自己破産との違いは?
2019年03月16日 10時14分

「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」などを手がけたことで知られる「ヤマカン」ことアニメーション監督の山本寛氏が3月11日、破産手続きを開始したことが公式ブログで公表され、ネットは一時騒然となった。一部では「自己破産」という情報が流れたが、山本氏はブログで「これは『自己破産』ではなく、『他己破産』なのです」と強く否定している。

山本氏の公式ブログで発表された代理人の田畑淳弁護士の「報告」によると、過去のアニメ作品の制作費負担について、「株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ」と話し合いを続けてきたが、同社が債権者として破産手続き開始を申立て。現在の山本氏の財産では、1億円あまりの債務を一括で支払うことが難しいため、東京地裁立川支部で3月4日、破産手続き開始が決定したという。

実際、山本氏は「債権者破産」と呼ばれる手続きにあたる。これは、自己破産とどう違うのだろうか。山本氏の生活や仕事にどのような影響があるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。

「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」などを手がけたことで知られる「ヤマカン」ことアニメーション監督の山本寛氏が3月11日、破産手続きを開始したことが公式ブログで公表され、ネットは一時騒然となった。一部では「自己破産」という情報が流れたが、山本氏はブログで「これは『自己破産』ではなく、『他己破産』なのです」と強く否定している。

山本氏の公式ブログで発表された代理人の田畑淳弁護士の「報告」によると、過去のアニメ作品の制作費負担について、「株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ」と話し合いを続けてきたが、同社が債権者として破産手続き開始を申立て。現在の山本氏の財産では、1億円あまりの債務を一括で支払うことが難しいため、東京地裁立川支部で3月4日、破産手続き開始が決定したという。

実際、山本氏は「債権者破産」と呼ばれる手続きにあたる。これは、自己破産とどう違うのだろうか。山本氏の生活や仕事にどのような影響があるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。

●「債権者破産」はレアケース

山本氏は自身のブログで3月11日「弁護士先生のリリースにもある通り、この度破産に至りました。その文章にもある通り、僕にとっては何から何まで、実に不可解で不愉快なものです」「これは『自己破産』ではなく、『他己破産』なのです」と書いている。

また、3月12日のブログには、「オヤジにも言われた。『なんでOrdet(編集部注:アニメ制作会社)が残ってるのにお前が負債請け負うの??』 法律上ではそれでいいらしい。法律クソくらえ!!」とも書き、不信感を表した。

山本氏のケースにあるような「債権者破産」と「自己破産」とはどのように違う?

「破産とは、その人の全財産を調査して確定した上で、各債権者へ割合的に配当する手続です。つまり全額の弁済ができないので、一部の債権者の抜け駆けを許さずに、全債権者に平等に、債権者の申立てに基づいて、割合的に按分して配当するのです。

しかし、現実のケースとしては、むしろ債務者の方から積極的に裁判所へ申立をして、廃業や店じまいなどを行うことが多いです。つまり、債務者自らが裁判所へ申立てをするのが自己破産手続です。これが圧倒的多数です。

ところが、法の原則にしたがって、債権者から裁判所へ破産の申立てをすることもできます。これが債権者申立てと言われる手続です。実際には、債権者から裁判所へ申立てを行う場合は、債務者の財産などをある程度調査した上で申立てをしなければならず、クリアすべきハードルが高いです。

しかし、債務者自らが破産の申立てをしない以上は、やむを得ず、債権者から破産の申立てをするケースがごくまれにあります。要件を満たせば裁判所は破産手続開始決定を下します」

●制作中の「薄暮」には「影響なし」、旅行や転居などの活動で一部制約も

代理人弁護士の「報告」では、現在山本氏が手がけている映画「薄暮」の制作には影響がないとしているが、「債権者破産」の場合、本人の生活や仕事に制限がかかることはない?

「その場合は、破産者とされた者は、破産管財人の財産調査に協力するなどの義務があります。また、プライベート上の旅行や転居などの市民生活上の活動についても、裁判所の許可が必要となるなど、一定程度の制約を受けることとなります。つまり、逃亡や財産隠しなどの行為をしないように、一定程度の拘束を受ける、ということです。

今回の例では、債務者自らの破産の申立て、つまり、自己破産の申立ては行ってはいないが、債権者の一部の者が裁判所へ破産の申立てを行ったというケースであり、その意味でレアなケースです。しかし、債権者からすれば、財産状況について徹底的に調査した上で、自己の権利の満足を得たい、ということだと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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